短詩縦書き重力をいかんなく
愛の文たり得る強度 梅を手折る
街中のにこり鏡ににこりする
ハローワーク 裸眼で歩く夜もあるさ
枯れ木いっぽんに ハチドリが十三羽
お年賀やたまごサンドと茹卵
青空やアブラカダブラ タブラ・ラサ
ここじゃない ビルの影ごと曳いて歩く
赤ちゃんも西瓜も冷やす金盥
タツノオトシゴのオトシゴの部分
ここあ練るつむじの向きを考える
てふてふに乳房与えて姉妹
絵心のなくてクレヨン詩を写す
ゆりかもめ先生にお土産を買う
肩の糸くず取ってから抱きしめる
土筆恋しい頁めくれば頁に影
鳥渡る手紙案外ばい菌が
all you enemy 傷つけて匂う花
兎の剥製 わたしが生れる前のこと
引越の荷解き 新しい町の花屋
水澄むや平凡に幸福なはず
靴がねちゃ ねちゃ甘いコーヒーが床だ
夜霧鳴らして百の大猫らが走る
木犀や鏡濡らしてから拭う
苧殻火の君が僕らをゆるさない
箱舟は全員故人ならいいか
鶏頭と芙蓉が咲いて帰ります
いいハムも棄てる亡父の冷蔵庫
せつせつと石鹸玉吹く部屋のなか
花火を隠す大きな老人ホーム群
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